アスベスト含有の事前調査の結果報告義務化について

アスベスト(石綿)とは、天然に産出される繊維状ケイ酸塩鉱物の総称をいいます。鉱物の種類は、クリソタイル(白石綿)・クロシドライド(青石綿)・アモサイト(茶石綿)・アクチノライト・トレモライト・アンソフィラトの6種類です。労働安全衛生法などの規制対象となるアスベスト含有建材については、アスベストを含む量が0.1重量パーセントを超えることが基準となっています。日本で過去使用された量については、クリソタイルが大半を占めます。

クロシドライド・アモサイトについては1995年に輸入と使用が禁止されたので、以降主に使用されたのがクリソタイルでした。アスベストの繊維は、肺線維症(じん肺)・悪性中皮腫の原因になり、肺がんを起こす可能性があることがわかっています。肺線維症は、肺が線維化してしまう病気のひとつで、潜伏期間は15~20年ともいわれます。悪性中皮腫とは、肺を取り囲む胸膜・肝臓や胃などの臓器を囲む胸膜等にできる腫瘍で、潜伏期間は20~50年といわれています。

このような危険性が伴うため、令和4年4月1日以降に開始する工事より、一定規模以上の建築物や特定の工作物の解体・改修工事において、石綿含有の事前調査の結果を電子システムで報告することが義務化されました。令和5年10月1日から、建築物の事前調査については「建築物石綿含有建材調査講習の修了者」または「日本アスベスト調査診断協会の登録者」のいずれかが実施する必要があります。

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